看護師だった母の終活。

私の父は60歳の時に肺がんで亡くなりました。病院で医師から「人工呼吸器を装着しますか?」と聞かれたとき、母は迷いなく断りました。当時は「私はできるだけ長く生きてほしいのに何故?」と疑問に思いました。父が亡くなった後に、私は転職し医療事務として病院に勤務することになりました。病棟でたくさんの病気の人や亡くなっていく人たちの様子を見て、あの時の母の決断は正しかった、と思うようになりました。私の母は看護師の仕事をしていました。わたしより多くの人がなくなる場面にリアルに遭遇したのだと思います。「できるだけ苦しまないでほしい」というのが母の父に対する願いでした。

そんなこともあり、私と母は以前より、延命治療や、お葬式などについて、よく話し合っていました。私には妹がいますが、母に何かあった時に判断しなくてはいけないのは姉である自分だと思ったので、日頃から母の意向を聞くようにしていました。病院に勤めていると「もしもの事態」は突然やってくることをしみじみと感じます。

そんな時、母が近くで開催された終活セミナーに参加しました。私たちは延命治療とお葬式についてしか話し合っていませんでしたが、終活セミナーで具体的な多くの情報を得てきた母は、もらってきたエンディングノートにしっかりと書き込みをし始めました。それから葬儀の会社も見学しに行き、家族葬にすることを決め、葬儀の手配もある程度済ませてきたようです。また、お墓についても考えました。私たち姉妹はどちらも結婚しているため、父方の祖父母と父の入ったお墓は、母が入った後、継ぐ人がいません。母は近くの永代供養ができるお寺を調べ、話を聞きに行き、母の死後のお墓の手配まで済ませてきました。

母の死後に必要な連絡先の一覧や、手続きの方法がエンディングノートと一緒にまとめられているので、いつ何があっても大丈夫なようです。その時がいつ来ても後悔しないように、母との時間を大切に過ごしたいと思います。